近畿大学医学部附属病院 免疫学教室

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腫瘍による免疫抑制因子は個々の患者毎に異なり、複数の因子が複雑に関与していることから、最適ながん免疫治療を提供するためには、時間・空間的にダイナミックな免疫応答を患者毎に評価することが重要です。患者毎のがん免疫応答を総合的に評価し、最適な治療の組み合わせを選択することを可能にするための研究が求められています。本講座は、これからのがん免疫治療を成功に導くポイントである「個別化」と「複合化」に対応するがん免疫治療の開発を目的としています。

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当教室の研究内容

免疫学教室では、がんに対する免疫応答を
分子レベル・細胞レベル・個体レベルで詳細に解析し、
ダイナミックな腫瘍免疫を理解し、免疫制御に基づく
がん免疫治療法を開発することを目的に研究しています。
がん免疫治療のバイオマーカーの
探索、および免疫制御技術の開発を行なっています。

基本方針
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研究内容の詳細
  • 1.抗腫瘍免疫応答の解析
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  • 2.ネオアンチゲン
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共同研究
ネットワーク
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ニュースNews

  • ニュース2025/1/14富士フイルム和光主催のウェビナーに参加します。

    第57回 WAKO Web受託セミナー『シングルセル解析を用いた研究の最前線』 日時2025年1月16日(木) 14:00~ ウェビナーにて開催   開催概要 日時 2025年1月16日(木) 14:00~ 開催方法 ウェビナーにて開催 参加費 無料  参加申し込み 以下のホームページリンクより申し込みくださいhttps://v2.nex-pro.com/campaign/74653/apply(セミナー配信会社のホームページへ移動します。)スケジュール14:00開会・注意事項のご説明 14:05~14:451)「シングルセル解析を用いたがん免疫・ネオアンチゲンの研究」【演者:近畿大学医学部 免疫学教室 主任教授 垣見 和宏 先生】《要旨》免疫チェックポイント阻害剤による抗腫瘍効果は、最終的にはがん細胞に特異的な遺伝子変異に由来するネオアンチゲンを認識し、攻撃・排除するネオアンチゲン特異的T細胞によるものである。がん免疫治療の開発において、ネオアンチゲン特異的T細胞の同定は極めて重要であるが、腫瘍内に浸潤するT細胞(tumor-infiltrating lymphocytes, TIL)の多くはバイスタンダーであり、がん抗原を特異的に認識しないことが明らかとなっている。そのため、真のネオアンチゲン特異的T細胞を同定する手法の確立が未だ課題である。さらに、全ゲノム解析(WGS)、全エクソーム解析(WES)、およびRNA-Seqを用いたネオアンチゲン予測では、多くの候補が実際にはT細胞によって認識されないことが報告されている。このような課題を克服するため、本講演では腫瘍内に浸潤する免疫細胞のシングルセル解析技術、特にscRNA-Seq、scTCR-Seq、および細胞表面プロファイリングを可能にするCITE-Seqを活用したがん免疫研究を紹介する。これにより、真のネオアンチゲンおよびそれに応答するT細胞を同定する手法を提示し、それががんワクチン治療およびTCR-T細胞治療の発展にどのように寄与するかを議論する 

  • オプトアウト2025/1/10近畿大学病院(外科)で大腸がんに対する治療を受けられた患者様・ご家族の皆様へ

    近畿大学病院(外科)(以下、当科)では、オーストリア、インスブルック大学のTrajanoski教授との共同研究で、「大腸がんにおける腫瘍浸潤好酸球の解析(後向き観察研究)」という臨床研究を行っています。今回、より詳しい解析を行うために、体の中でどのような遺伝子が働いているかを調べます。この解析には『マイクロアレイ』と呼ばれる特別な方法を使用し、遺伝子の働きを網羅的に調べることで、大腸がんの特徴や新しい治療法の手がかりを見つけることを目指しています。 そのため、当科で大腸がんに対する治療を受けられた患者様の手術検体と診療情報を使用させていただきますので、以下の内容を確認してください。なお、この研究は、近畿大学医学部倫理委員会(https://www.med.kindai.ac.jp/rinri/index.html)で審査・承認を受け、医学部長による実施の許可を受けて行われます。

  • ニュース2024/12/16人工知能で胃がんの化学療法の効果を予測-免疫ゲノム情報を基にした精密医療に期待-

     理化学研究所 中川先生らとの共同研究がGastric Cancerに掲載されました。 Sasagawa S, Honma Y, Peng X, Maejima K, Nagaoka K, Kobayashi Y, Oosawa A, Johnson TA, Okawa Y, Liang H, Kakimi K, Yamada Y, Nakagawa H. Predicting chemotherapy responsiveness in gastric cancer through machine learning analysis of genome, immune, and neutrophil signatures. Gastric Cancer. 2024 Dec 2. doi: 10.1007/s10120-024-01569-4. PMID: 39621213. 本研究成果は、事前にがん化学療法の効果を予測するがん精密医療および、新しいがん免疫療法の開発に貢献すると期待されます。 今回、共同研究グループは、化学療法の開始前に採取した65例の進行胃がん組織の全ゲノムシークエンス解析およびRNAシークエンス解析を行い、化学療法の効果との関連性を調べました。その結果、がん細胞のコピー数異常や腫瘍内の好中球(TAN)などの特徴が化学療法の効果と関連することが分かりました。また、TANについてシングル細胞RNA解析も行い、腫瘍の成長や転移を抑制または促進する機能を持つ分画(構成成分)があることが分かりました。さらに、これら免疫ゲノム情報と臨床情報などの123項目の胃がんの特徴を用いて、機械学習によって化学療法の効果を予測するアルゴリズムを開発し、その高い予測精度を確認しました。   https://newscast.jp/news/4709596 

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